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培養部の青野です。精子形態検査を担当しています。
精子の形態検査は不妊治療で軽視されがちですが、当クリニックでは精子の形態検査を高精細、かつ客観的に行なうことにより、不妊の原因や治療法に関して多くの情報が得られると考えています。
培養部長の上野です。
私たちは顕微授精に用いる精子の選別に強いこだわりを持っており、当院で行う顕微授精は例外なくIMSI(イムジー)と呼ばれる方法で行っています。
また当院の高精細な精子形態検査の結果を基にすることにより、患者様の最良な精子を選択することが可能です。
WHO推奨のこの検査は、精子異常を判断するための世界標準になりつつあります。しかし精度はまだ低く十分とは言えません。当院では独自の改良を行い、精度を向上させてきました。その結果、従来男性不妊と診断されて来なかった多くの不妊原因が重度の男性不妊と判かるようになりました。
精子の形態検査のポイントは2つあります。
ひとつは、精細な観察ができる鮮明な染色標本を作成する技術です。当クリニックでは、標本の塗沫、染色時間、観察の条件をあらゆる角度から検討し最適な状態で観察しています。
もうひとつは、観察結果に対する客観性の確保です。通常は一人の検査者が200個の精子を顕微鏡下で観察して結果を出します。ですが、当クリニックでは、形態の良好な上位1割(20個)の精子は、写真を撮り、当クリニックオリジナルのソフトウェアでサイズその他を高い精度で計測、正確な結果を出しています。またこの結果はさらに別な検査者により判定に疑義がないことを確認することで、検査の客観性を確保しています。
これらの手段を経て得られた精子形態に関するデータは、顕微授精(IMSI;イムジー)を行うときの精子選択に非常に有用となります。
受精方法を決定する重要な指標として利用しています。
日本ではほぼ行われていない形態検査ですが、高精細な観察を行うことで不妊治療のために多くの情報を得られます。
日本ではほぼ行われないこの検査により、不妊治療に必要な多くの情報を得ることができ、治療に応用しています。
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